沼津海浜訓練場で日米エアクッション型揚陸艇(LCAC)が共同訓練


日米のエアクッション型揚陸艇

米海軍のエアクッション型揚陸艇と沖合に停泊する海自の大型揚陸艦「しもきた」


「しもきた」から発進するエアクッション型揚陸艇


沼津海浜訓練場に接近する海自のエアクッション型揚陸艇


上陸直前の海自エアクッション型揚陸艇。手前の4人は米軍の兵士


海自エアクッション型揚陸艇に設置されたコンテナハウス


訓練2日目の9月30日、沼津海浜訓練場に見に行った。

米海軍・海兵隊が「遠征前進基地作戦」(EABO Expeditionary Advanced Based Operations)なる作戦構想を打ち出し、琉球弧の島々への部隊の分散配置を、さまざまな方法で検証しているいま、どんな訓練をやるのかは、とても気になるところだからだ。

南関東防衛局が沼津市に入れた連絡では、9月29日6時から22時まで、9月30日6時から18時までとなっていた。訓練内容としては、ビーチング訓練、捜索救難訓練。ビーチング訓練とは隊員や物資を揚陸するのではなく、LCACが海岸に接岸、上陸する訓練のことだ。
エアクッション型揚陸艇は、最大150名の兵士、あるいは戦車、装甲車など50トンの物資を搭載して、海上を時速90キロで疾走する。揚陸作戦には欠かせないものだ。

沼津市の発表を見て「ずいぶん遅くまでやるんだな」と思った。現場で説明を担当している自衛官に聞いて見た。「昨日は20時過ぎまでやりました」、「夜間の揚陸は大変ではないですか」、「ナイトゴーグルをかけて運転するので昼間と同じようにできます」、ちょっとびっくり。「この海岸は上陸しやすいですか」、「海際の最初の傾斜の後、窪みがあって、その後さらに傾斜が高くなっているのでなかなか大変です」、そういうものかと初めて知った。「捜索救難訓練もやったのですか」、「LCAC側では特にやっていません。母艦の「しもきた」の方ではやったと思います」

米軍のエアクッション艇は、ドック型揚陸艦グリーンベイ、ニューオーリンズ(ともに全長209m、満載排水量25,300tの巨艦。海兵隊員699名を載せて揚陸作戦を行う)のもので最新型ということだ。「公開」していたので、間近から見ることができた。

海自のLCACがもどってきて接岸。降りて来たのは兵士ではなくマスコミ関係者と静岡県の職員など。「しもきた」まで運んで、訓練内容や大型揚陸艦の機能について説明したようだ。よくよく見たら、エアクッション艇の中央に兵士を収容するコンテナハウスが固定してあった。実際には、米海兵隊員や陸自の水陸機動団が乗艦しているわけではなく、自動小銃を持った兵士がいるわけでもない。その意味ではそれほどの緊迫感がある訓練ではなかった。しかし、検証している内容はあくまでも部隊の揚陸作戦の手順である。

日米の隊員たちは14時頃から海岸の清掃を開始、15時頃には引き上げたようだ。

(木元 茂夫)(23.9.30 木元 撮影)


後方から見た米海軍のエアクッション型揚陸艇


2023-10-7|HOME|